工学系学部の女子学生割合を2040年に倍増へ 政府が「女性版骨太の方針2026」決定
政府は2026年6月25日、総理大臣官邸で第16回すべての女性が輝く社会づくり本部・第26回男女共同参画推進本部合同会議を開催し、「女性活躍・男女共同参画の重点方針2026(女性版骨太の方針2026)」を決定した。高市早苗首相は「女性活躍の裾野を更に広げていくため」として、「健康」「成長戦略」「地域」の三つを重点分野とする政策パッケージをまとめたと説明した。
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重点方針の柱の一つが、理工系分野への女性参入の拡大だ。2025年時点で18%にとどまる大学の工学系学部における女性割合を、2040年までに36%へ倍増させる数値目標を掲げた。背景にあるのは、高市政権が重点投資対象として位置づける人工知能(AI)や半導体など17の戦略分野での人材不足だ。この分野は理系職種が多くを占めるにもかかわらず、女性の参画が進んでいないと方針では指摘している。
松本洋平文部科学大臣は記者会見で、女性の大学進学率が40年前の約14%から5割超へ上昇した一方、理工系分野の女子学生比率が約2割にとどまっていることを「損失」と表現した。理工系・デジタル分野への進学を諦めてきた女性個人にとってだけでなく、国際競争力の観点からも看過できない状況との認識を示したものだ。
具体的な施策として、方針には女子中高生の理工系分野への興味・関心を高める取り組みへの支援、女性入学者の増加に取り組む大学への交付金・補助金による支援、17の戦略分野につながる学部や高等専門学校の新設促進などが盛り込まれた。また私立理工系学部に通う学生の授業料免除を中間所得世帯まで拡大する方向も打ち出している。
大学入試の側でも、女性を対象とする選抜枠の設置が急速に広がっている。文部科学省の発表によると、2026年度入学者選抜において理工系分野の女子枠を設置した国公立大学は38大学49学部にのぼり、前年度から8大学・12学部増加した。京都大学や大阪大学、広島大学といった主要国立大学が新たに参入しており、理工系学部を持つ国立大学の半数以上で女子枠が設けられる段階に至っている。
文部科学省は大学入学者選抜実施要項において、各大学が入学者の多様性確保の観点から女性を対象とする選抜を自らの判断で実施することについて「合理性がある」との立場を示しており、こうした大学の取り組みを後押しする根拠となっている。
一方で、入試の入口を広げるだけでは根本解決につながらないとの指摘は根強い。幼少期から蓄積されるジェンダーバイアスの解消や、入学後の学習・キャリア環境の整備をあわせて進めなければ、数値目標の達成は容易ではない。今回の方針がどこまで実効性のある施策展開につながるか、各大学や教育現場の対応が問われる。