インクルーシブな組織を作り上げ「全員戦力化」を実現するためには

人材不足と働き手の多様化が進む中、企業が成果を上げるためには、社員に「居場所感」を与えるインクルーシブな組織を作り上げ、「全員戦力化」を図る必要がある。そのために経営者がすべきこととは。

社員の多様性を経営成果につなげる
鍵としてのインクルージョン

北村 雅昭

北村 雅昭

大手前大学 経営学部 教授・学部長
1985年東京大学法学部卒業、1989年ミシガン大学経営管理大学院修了、博士(経営管理)。京都美術工芸大学教授、大手前大学現代社会学部教授を経て、2023年4月から現職。専門は組織行動論、キャリア論。最近の研究テーマは、インクルーシブ・リーダーシップ、キャリアショックなど。著書に『持続可能なキャリア――不確実性の時代を生き抜くヒント』(大学教育出版、2022年)。

かつて同質的であった日本の職場は近年、大きく変貌を遂げつつある。すなわち、新卒で一括採用され、長時間労働や転勤を当然と受け止める男性正社員が職場の大半を占めていたのが、女性、高齢者、外国人、あるいは非正社員や中途採用者といった様々なバックグラウンドの社員が増え、またワークライフバランスやキャリアの方向性の考え方の面でも、社員の多様性が目立つようになりつつある。今日の日本企業は、こうした多様な人材の活躍をいかに促し、経営成果につなげるかという、いわゆるダイバーシティ・マネジメントの課題に直面している。

(※全文:2527文字 画像:あり)

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