日本初、建設職人を育てる学校 若者が「やりたい仕事」を見つける
建設業界の人手不足に危機感を抱き、建設会社の元経営者が新たな「学校」を立ち上げた。「匠の学舎」には中学卒業者や高校中退の16~17歳が入学し、プロの建設職人になるための技能を習得する。独自の教育プログラムで、若者が自分の思い描く道に進むのを後押ししている。
建設業の主要16業種を経験、
現場で働いて目指す道を選ぶ
白川 勝
香川県琴平町にある匠の学舎(たくみのまなびや)は、日本初の建設業に携わる「職人」を育成する学校だ。一般的な職業訓練校は高校を卒業した生徒が通うが、匠の学舎に入学するのは中学卒業者や高校を中退した16~17歳だ。小中時代に引きこもりや不登校を経験した生徒も多い。
理事長の白川勝氏は、かつては建設会社を経営者だった。深刻化している職人不足に危機感を抱き、10年前に経営を弟に任せて、自ら職人の育成に取り組むことを決意。全国各地の職業訓練校を視察するなどして、2016年に匠の学舎を設立した。
本来、職人は親方の元に弟子入りをして、その背中を見ながら腕を磨き、一人前になって独立していくものだった。しかし、「そうしたやり方は時代に合わなくなりました」と白川氏。そこで「学校」という形にしようと考えた。
匠の学舎は3年間の寮制(通学可)で、独自の職人育成プログラムにより建設会社の即戦力を育成する。設計士やプロの大工等が講師を務め、…
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