富山高専のスタートアップ教育 産官学連携で「尖った人材」を育成

富山高専は、全学生を対象にしたスタートアップ教育に力を入れている。先端機器を備えた「起業家工房」を設置したほか、県の創業支援拠点でのサテライトオフィス開設、AI・データサイエンス教育や産学連携教育の推進など、さまざまな取り組みで「尖った人材」を育成している。

スタートアップ教育を展開し、
キャンパスに「起業家工房」設置

國枝 佳明

國枝 佳明

富山高等専門学校 校長
1982年、神戸商船大学(現・神戸大学)商船学部を卒業。2018年、神戸大学大学院 海事科学研究科 海洋ロジスティクスを修了。独立行政法人 航海訓練所 安全推進室室長、東京海洋大学 海事システム工学部門教授等を経て、2022年4月に国立高専機構理事(2024年3月まで)及び富山高等専門学校校長に就任。

政府が2022年を「スタートアップ創出元年」と位置づけ、同年11月にスタートアップ育成5か年計画を公表したことを受け、全国の高等専門学校(高専)でも新たな動きが活発化している。富山高専も例外ではなく、2022年度の補正予算に盛り込まれた「高等専門学校スタートアップ教育環境整備事業」に応募し、スタートアップ教育を本格化させてきた。

高専は中学校卒業後から5年間の一貫教育が特徴であり、実践的な専門知識を身に付けるカリキュラムを提供している。一般的な高校生とは異なる環境で5年間を過ごす間に、既存の枠にとらわれず自身の興味関心を追求し、自発的にプロジェクトを立ち上げる学生も少なくない。富山高専の國枝佳明校長は、「高専には『尖った人材』を輩出しやすい土壌があります」と語る。

富山高専は本郷(富山市)と射水の2ヵ所にキャンパスを構え、…

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