世界一流の大学づくりを目指す 台湾の高等教育

高等教育在学率は8割を超え高学歴社会の様相を呈しているが、日本よりも少子化傾向が著しい状況にもある。世界一流の大学づくりを目指す台湾の高等教育の現在を探る。

日暮トモ子(ひぐらし・ともこ)

日暮トモ子(ひぐらし・ともこ)

専門は比較教育学、教育思想史。中国を主たるフィールドとして、中国語圏の教育の制度・政策について調査研究をしている。近年は、台湾の新移民家庭の子どもの教育、アジアの大学における学生寮教育の形成過程やその機能に関心をもち、研究に取り組んでいる。

2016年に台湾の憲政史上初の女性総統となった民進党の蔡英文は、2020年の総統選で再選を果たし、現在2期目となる。その総統就任当初から、対中投資重視の経済政策を見直し、東南アジア諸国、南アジア、大洋州の国々との経済貿易協力の促進を経済政策の重点に据え、それを支えるものとしての資源共有、人材交流、地域連携の促進を目指す「新南向政策」を打ち出している。

グローバル化した経済競争の中での生き残り戦略として、経済発展を支えるための人材育成は不可欠であり、そこでは教育が重要な役割を担うことになる。台湾の高等教育在学率は…

(※全文:2654文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。