シアトルの教育現場から見た、米国のICT教育とプログラミング教育

米国に本拠地を置くGAFA。多くのグローバルIT企業が誕生した米国は、Edtechの発祥国でもある。米国のICT教育とIT企業が集まるシアトルの教育状況を紹介する。

教育学者の伝統的な、教育理論が支えに

上松恵理子(うえまつ・えりこ)

上松恵理子(うえまつ・えりこ)

博士(教育学)。中学校・高等学校勤務の経験からICT教育の研究と実践に取り組む。武蔵野学院大学准教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員、早稲田大学情報教育研究所招聘研究員。「教育における情報通信(ICT)の利活用促進をめざす議員連盟」有識者アドバイザー、総務省プログラミング教育推進事業会議委員を歴任している。

米国の教育は州によって様々な特徴がある。特に日本で話題になったのは、2009年のカリフォルニア州でのデジタル教科書の普及宣言や、高校レベルの数学や科学の教科書をオープンソースで提供したことである。

また、日本のゲーム会社が「遊びの中から学ぶ」という教育コンセプトで、STEAM教育のために小学校にゲーム機を配った事例もある。さらに15年以上前に遡れば、体育の授業にWiiを使ってスポーツやダンスを踊るという授業が話題になった。

国家戦略としては、2011年、米国のオバマ大統領がSTEM教育を推進すると表明したことで…

(※全文:2037文字 画像:あり)

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