韓国の大学が直面する危機と「生き残り」戦略

約7割の大学進学率を誇り、熾烈な受験競争の様子は日本でもしばしば報道されるが、近年、大学を取り巻く環境変化により、韓国の大学にも変化が起きている。

松本麻人(まつもと・あさと)

松本麻人(まつもと・あさと)

専門は、比較教育学。韓国の教育制度や政策全般について調査・研究しており、特に高等教育の私立セクターの歴史的形成や展開について関心がある。近年は、韓国の学校事務の業務についても研究を進めている。文部科学省外国調査係を経て、2018年から現職。

熾烈な大学受験競争の様子は日本でもしばしば報道されるが、社会的地位の獲得のために学歴が重要と認識されている韓国において、大学への進学は重要な意味を持つ。一時期よりはやや落ち着いたものの、大学進学率は約70%と、依然として高い水準を維持している。こうした教育熱を背景に、韓国の大学は量的拡大の一途を辿ってきたのだが、近年大学を取り巻く環境の変化は極めて激しい。韓国高等教育の構造的な特徴も、こうした変化に大学が機敏に反応せざるをえない状況を作り出している。本稿は、近年の韓国の大学が直面する危機とそれへの対応について論じる…

(※全文:2354文字 画像:あり)

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