学校主体でカリキュラム改革が進むニュージーランド

予測困難な未来を生きる子ども達にはどんな学びが必要なのか。小学校からフィンテックを学ぶ国から、その現状を紹介する。

上松 恵理子

上松 恵理子(うえまつ・えりこ)

博士(教育学)。中学校・高等学校勤務の経験からICT教育の研究と実践に取り組む。武蔵野学院大学准教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員、早稲田大学情報教育研究所招聘研究員。「教育における情報通信(ICT)の利活用促進をめざす議員連盟」有識者アドバイザー、総務省プログラミング教育推進事業会議委員を歴任している。

ニュージーランドは南西太平洋のオセアニアに位置する島国で、林業や酪農、畜産などの農業が盛んな国である。日本人であれば羊など牧歌的なイメージを持つかもしれないが、ICT教育はスピード感を持ちつつ積極的に、世界各国の先進的な好事例を取り入れて進められている。

また、失敗した他国の先進事例もよく参考にし、その轍を踏まないようにしている。ニュージーランドの優れた教育は、学校改革と社会システム構築の2点に分けることができる。

1点目の学校改革には、カリキュラム改革が挙げられる。子どもたちの未来を築くために、小学校から、今の子どもたちが大人になっている頃の時代を想定した…

(※全文:2069文字 画像:あり)

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