誰もがいつでも気軽に学べる スウェーデンのリカレント教育

リカレント教育発祥のスウェーデンは、年齢に関わらず、誰もがいつでも様々な形態で気軽に学ぶことができる「学習社会」を実現している。同国の現状と課題を解説する。

リカレント教育発祥の、「学習社会」スウェーデンの現在

澤野 由紀子(さわの・ゆきこ)

澤野 由紀子(さわの・ゆきこ)

聖心女子大学文学部現代教養学部教育学科教授。専門は比較教育学、生涯学習論。文部科学省総合教育政策局外国調査アドバイザー、品川区立豊葉の杜学園義務教育学校校区教育協働委員長なども務める。共著書に『みんなの教育:スウェーデンの「人を育てる」国家戦略』(ミツイパブリッシング)、『グローバル時代の市民形成』(岩波書店)、『統合ヨーロッパの市民性教育』(名古屋大学出版会)、『Second International Handbook of Lifelong Learning』(Springer)等。

日本では安倍政権下の「ニッポン総活躍プラン」によって「リカレント教育」が社会人の学び直しを表す言葉としてよく使われるようになりました。社会人向けの雑誌などでも「リカレント教育」が取り上げられることが多くなり、「人生100年時代」や「Society5.0」などのバズワードとともに流行語のように感じている人も多くなっています。

しかし、この言葉は実は1960年代末に「オーテルコマンデ・ウートビルドニング(流れを変える教育)」というスウェーデン語が「リカレント・エデュケーション」と英訳され、OECD(経済協力開発機構)などの国際機関を通して生涯学習を実現するための一つの戦略として先進諸国に広まった概念であることを知る人は少ないようです…

(※全文:2376文字 画像:あり)

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