富山県教委 大切なのはウェルビーイング、「真の幸せ」のために教育はある

「教育県」として知られる富山県は今、横断的な取り組みとして「課題解決型の教育」の展開、「ICT教育」の推進、「チーム富山教育」の実現に力を入れている。富山県は今後、どのような教育を目指していくのか。県教育委員会教育長の荻布佳子氏に話を聞いた。

「課題解決型の教育」を推進、
変化に対応できる人材を育てる

荻布 佳子

荻布 佳子

富山県教育委員会 教育長
1964年生まれ。お茶の水女子大学を卒業後、1986年に富山県庁に入り少子化対策などを担う知事政策局課長や商工労働部次長などを経て、2020年から議会事務局長。2021年4月、富山県教育委員会 教育長に就任。

──富山県は学力調査で全国トップレベルにあるなど、「教育県」として知られています。富山県の教育環境について、どのように見ていますか。

富山県は面積としてはコンパクトな県ですが、その中には立山連峰もあれば水深1000m以上の富山湾もあり、ダイナミックで変化に富んだ地形を有します。本県はこうした自然の恵みを受ける一方で、豪雪や洪水などの災害にも過去何度も遭遇してきました。富山県の人々はこうした環境と時に闘いながら、自然への畏敬の念を持ち、勤勉性や粘り強さ、進取の気性を育んできたと言われています。

こうした自然環境・風土の中で、教育を重視する伝統も育まれました。高校や大学への進学についても熱心ですし、PTA活動や地域の公民館活動も盛んです。教員のみなさんも、…

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