MORIUMIUSの新たな挑戦 自然と共生し循環する暮らしを体験
宮城県石巻市雄勝町に複合体験施設「MORIUMIUS(モリウミアス)」が誕生して9年目を迎えた。設立以来1万5,000人以上が訪れ、豊かな学びの機会を提供してきた。代表としてフィールドディレクターを務める油井元太郎氏に、これまでの手応えや町への思い、今後のビジョンを聞いた。
始まりは被災地の炊き出し
築93年の廃校を5,000人で改修
油井 元太郎
──モリウミアス設立の経緯を改めてお聞かせください。
元々のきっかけは2011年の東日本大震災です。当時私は東京でキッザニアというテーマパークの仕事をしていたのですが、仙台出身の友人がいたことから、被災地のために何かしようと、毎週末のように仲間と各地の避難所を回って炊き出しをするようになりました。そのなかで雄勝中学校の校長先生とのご縁が生まれ、石巻市内の高校の校舎を間借りして授業を再開する際、給食をつくってほしいと依頼されました。私たちとしても、週末の炊き出し以外にするべきことがあるのではとの思いがあり、そのお話に乗ることにしたのが始まりです。
やがて、給食だけでなく、子どもたちの勉強をサポートする塾のような活動もすることになり、2011年5月に現在の公益社団法人MORIU MIUSの前身となる法人を立ち上げました。代表理事に就いたのが、仙台出身の友人である立花貴です。はじめは、あくまで勉強面のサポートでしたが、やがて週末を使って、…
(※全文:3520文字 画像:あり)
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