東北大学 地域イノベーションを牽引する人材育成に力を注ぐ

東北地域のイノベーション能力の向上を図り、地域の産業振興や経済発展に貢献するため、2005年に東北大学大学院経済学研究科に地域イノベーション研究センターが設置された。これまでの研究や人材育成の手応え、今後に向けたビジョンについて、同センター長の藤本雅彦氏に聞いた。

転機は東日本大震災
地域貢献への中心を担う

藤本 雅彦

藤本 雅彦

東北大学 総長特別補佐、大学院経済学研究科 教授、地域イノベーション研究センター長 北海道大学 客員教授
1959年、北海道生まれ。1983年、東北大学教育学部卒業。1999年、東北大学大学院経済学研究科博士課程修了(博士[経済学])。株式会社リクルートおよびIT企業取締役などを経て、2004年、東北大学大学院経済学研究科助教授。2007年、同教授。2011年度より経済学研究科地域イノベーション研究センター長を兼務。著書に『若手社員を一人前に育てる』『人事管理の戦略的再構築』『ケースに学ぶ経営学 第3版』(共著)『経営学の基本視座』(編著)などがある。

──地域イノベーション研究センターの主な役割についてお聞かせください。

地域イノベーション研究センターは、中長期的な視点から地域の経済・社会に関する調査研究を踏まえた政策提言を行うとともに、地域企業のイノベーションを促進する人材を育成し、地域の発展に貢献する役割を担っています。

センターが生まれた背景には、経済学研究科も含め、東北大学は地元への貢献が不十分だという問題意識がありました。そこで当初は明確な予算措置もないまま、地元企業のインターンシッププログラムからスタートし、地域貢献のあり方を探ってきました。

私が正式にセンター長に就任したのは2011年4月でしたが、その直前の3月に起こった東日本大震災を機にセンターの役割が大きく変わりました。国からの特別予算も下りて、センターが地域貢献に関する中心的な役割を担うことになり、…

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