「成人の学び」における他者との対話・協働の重要性
成人学習では、学習者の境界を形づくる経験が重要な役割を持つ。そして越境や未知の領域の開拓では、他者との対話や協働が実現するような教育活動をデザインする必要がある。

伴野 崇生(ともの・たかお)
香港中文大学専業進修学院専任講師、東京農工大学特任助教等を経て現職。これまで大学・大学院で担当した科目は、外国語/第二言語科目から科学技術コミュニケーションや多文化間カウンセリングまで多岐に渡る。近年は文化心理学の観点から、学習者・教師/学習支援者の変容プロセスに関する研究を進めている。
成人の学びにとって、経験は非常に重要な役割を持っています。成人の学びに関する理論やモデルも、その多くが経験を成人学習の重要な資源やプロセスの一段階と見なしています。
例えば、アンドラゴジー(andragogy、成人教育学)という用語を成人教育の文献で初めて扱ったリンデマンは「経験は成人学習者の教科書である」と述べ、また、アンドラゴジーを体系化したことで知られるノールズは「人は成熟するにつれて経験の蓄積が増加していき、それが学習資源となる」と指摘しました。
さらに、変容的学習理論を提唱したメジローは…
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