中小企業の生成AI活用 経営課題と連動した導入が重要に
経営課題との連動なしに、生成AIを導入しても効果は期待できない。コンサルタントとして中小企業のDX支援等を手掛け、実務家教員としても活躍する東庸行氏に、中小企業における生成AI活用のポイントや、競争力向上へとつなげるための方策について、話を聞いた。
生成AIは中小企業の
人材育成や事業承継を変える

東 庸行
中部エネテックコンサルテイング株式会社
代表取締役
一般社団法人 中小企業DX推進機構 代表理事
愛知県中小企業診断士協会 DX/GX研究会 会長
国立大学法人名古屋工業大学 産学官金連携機構 研究員
日立製作所グループにて研究開発に従事。その後大手コンサルティング会社にて、IPO支援、システム導入支援などを経験。ベンチャー企業数社の役員を経験後、経営コンサルタントとして独立開業。現在は経営コンサルティング、DXコンサルティング、新規事業開発、アンドレプレナー支援等を手掛ける。名古屋市立大学大学院 先端型実務家教員養成プログラム修了、東京大学AI経営寄付講座(松尾研&PwC)修了、AIビジネスデザイン講座(NewsPicks)修。主な資格:中小企業診断士、経営学(MBA)修士、システムアドミニストレーター。
── 中小企業における生成AIの可能性について、どのように考えていますか。
私はコンサルタントとして、中小企業のDX支援等を行っています。5年程前からAIにも関心を持ち、東京大学のAI講座も受講して、その可能性を探ってきました。当時はまだ生成AIは登場していませんでしたが、いずれ中小企業でもAIやロボットが普及し、経営や現場を大きく変えていくと考えていました。
生成AIの登場は、中小企業にとっても大きなチャンスです。従来、システム開発にはITエンジニアがプログラムを設計する必要がありました。しかし生成AIにより、ある程度の知識があれば、エンジニアでなくても自社でアプリやシステムを構築できます。そのため、中小企業でも低コストで業務効率化や経営改革のDXを実現しやすくなりました。
また、生成AIは企画の立案やプレゼン資料の作成、マーケティングのリサーチ、ウェブ制作やSNS運用など、あらゆる場面で活用できます。生成AIを使いこなせる人と使っていない人では、生産性に10倍、20倍の差が出ています。
事業承継における活用も考えられるでしょう。多くの中小企業では、知見やノウハウが経営トップに属人化しています。そのため、後継者に対して、どうやって知見やノウハウを伝承するかが大きな課題でした。生成AIに経営トップの知見を学習させることで、後継者の育成や、社員教育にもつなげられます。
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