生成AIで変わる仕事とキャリア 必要なスキルと戦略とは何か

生成AIの登場により、ビジネスの本質が問い直される中で、人間に求められる価値とは何か。Google、STYLY等でキャリアを重ね、現在はテンストレントジャパンで事業開発を担当し、事業構想研究所 客員教授も務める水谷享平氏が、生成AI時代のキャリア構築と組織変革を語る。

生成AIによって、
「本質」が問い直される

水谷 享平

水谷 享平

事業構想研究所 客員教授
テンストレントジャパン株式会社 事業開発担当
東京大学大学院工学系研究科卒業。2012年にGoogleに入社し、モバイルアプリ開発者向けの技術コンサルタントを務める。その後、2018年にSTYLYに入社し、執行役員としてプロダクトマネージャー、人事責任者、経営企画、上場準備等を担当。2024年よりテンストレントに入社し、日本支社で事業開発を担当。

── 生成AIのインパクトをどのように捉えていますか。

生成AIは、人類史上最も大きな変革の1つではないかと考えています。2024年にChatGPTの「o1」モデルが登場した時点で、もはや人間は生成AIにかなわないと確信しました。

それまでは生成AIを補助的に使うレベルで、優秀な新入社員や大学生程度だと思っていました。しかし今では、私の仕事のほとんどを生成AIがこなせると断言できます。AGI(汎用人工知能)が数年以内に実現するという話もありますし、人間と遜色のない知能を持つ生成AIの登場も現実味を帯びています。

今後、生成AIによりビジネスの「本質ではなかった部分」が削ぎ落とされていくでしょう。例えば営業活動において、最初は効率化を目的に生成AIを営業支援ツールとして活用するのが主な用途だと思いますが、やがて営業活動自体を生成AIが代行します。さらに進むと、「そもそも営業活動は必要なのか」という根本的な問いに行き着きます。

顧客と製品に関する膨大な情報を生成AIが把握していれば、膨大な選択肢の中から最適なものを瞬時に提案することもできます。HRサービスのように、たくさんのツールがある領域でも、生成AIならその全てを検討し、ベストな提案を導き出すでしょう。そうなると、従来のリサーチ活動の意義自体が問われます。

(※全文:3136文字 画像:あり)

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