5年間一貫教育で、高度な専門技術と、人間力を兼ね備えたエンジニアを育む

栃木唯一の『高専』である小山工業高等専門学校(小山高専)。中学を卒業したばかりの若い年代から高度で実践的な技術を修得させ、高い専門性と人間力を併せ持つエンジニアを輩出することを目指している。国内外で幅広く活躍する人材を育てる同校の特徴について、堀校長に話を聞いた。

教育理念として掲げた「技術者である前に人間であれ」

堀 憲之

堀 憲之

国立高等専門学校機構小山工業高等専門学校 校長
Ph.D, P.Eng.
国立大学法人筑波大学 名誉教授
1979年、防衛大学校航空工学科卒業。1985年、サスカチュワン大学大学院機械工学科博士課程修了。マッギル大学機械工学科准教授、筑波大学大学院システム情報工学研究科教授、筑波大学工学システム学類長などを経て、2020年4月に小山工業高等専門学校校長に就任。

高度成長期のめざましい科学技術の進歩に対応できる技術者を育てようと、国立高等専門学校が設立されるようになったのは1960年代のこと。そして日本が経済技術創造立国を目指す今、大学にひけを取らない専門的知識や技術を若くして身に付けられる高等専門学校が再び存在感を増している。

「小山工業高等専門学校の設立は1965年です。初代校長が新入生に向けた講話から『技術者である前に人間であれ』の言葉を引用し、教育理念として引き継いできました。これは、工学の専門技術だけでなく、幅広い視野から社会を見る豊かな人間性をも備えた人材を育成しようという教育者側の志でもあります。一方、『育成する人財像』として掲げる『今を見つめ未来を創る技術者』という表現は、学生側の心得でもあります。今まさに社会で起こっている技術に関する様々な問題に…

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