新潟県教育長 一人一人を伸ばす教育を推進、大切なのは「学び方を学ぶ」こと

新潟県は「一人一人を伸ばす教育」を目指し、探究を重視した学びを推進。中山間地域や離島の佐渡島などでは、ICTを活用した遠隔授業が実施され、また、県内の各中学校では運動部活動の地域移行が進む。教育行政の取組と展望について、県教育長の佐野哲郎氏に話を聞いた。

一人一人を伸ばす教育を推進、
探究的な学びを深める

佐野 哲郎

佐野 哲郎

新潟県教育委員会 教育長
1962年生まれ、新潟市出身。京都大学法学部を卒業し、1986年新潟県庁に入庁。国際交流課(中国黒龍江大学派遣)、企画課、旧経済企画庁(出向)、人事課、財政課などを経て、2009年政策評価室長。2年間、新潟市に出向(行政経営課長)した後、知事政策局行政改革推進室長、政策課長、総括政策監を経て、2019年より観光局長、2021年より産業労働部長。2022年4月に県教育委員会教育長に就任。

──新潟県は教育振興基本計画において、「一人一人を伸ばす教育」を基本理念に掲げています。現在、どういった教育に力を注がれていますか。

本県では今、探究学習に力を入れています。児童・生徒が受動的に学ぶのではなく、自ら考え、課題を見つけ、主体的に学ぶ力を身に付ける教育です。私は2022年4月に県教育長に就任し、小中高それぞれの学校現場を見て回っていますが、自分が生徒だった40年以上前とは様変わりし、探究的な学びが学校現場に浸透してきていることを実感しています。

全国的な流れですが本県でも少子化が進展し、現在、本県における出生数は15歳人口の約3分の2です。つまり、15年後に高校生になる子どもが3分の2に減り、地域によっては半数を割るケースもあります。少子化に伴い、…

(※全文:4209 文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。