「高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)」を公開 文科省
文部科学省は2月13日、「高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)~2040年に向けた「N-E.X.T(ネクスト)ハイスクール構想~」を公表した。
グランドデザインでは、全ての高校生が家庭の経済状況等に左右されることなく、希望する大学等への進学や就職等をし、生涯を通じて幸福に暮らしていくことができるよう、視点1:不確実な時代を自立して生きていく主権者として、AIに代替されない能力や個性の伸長、視点2:我が国や地域の経済・社会の発展を支える人材育成、視点3:一人一人の多様な学習ニーズに対応した教育機会・アクセスの確保と3つの視点を重視しながら、更なる高等学校改革を進めるとしている。
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グランドデザインで示された「N-E.X.T.ハイスクール構想」は、その中核として、公立高校への支援の拡充を図るとともに、高校教育改革を推進する。具体的には、都道府県において「高等学校教育改革実行計画」を策定し、同計画を着実に実現できるよう、安定財源を確保した上で、「高等学校教育改革交付金(仮称)」等の新たな財政支援の仕組み(以下「交付金等」)を構築することにより、地域人材育成の中心となる高校を広く応援し、高校生の学びを支援する。
新しい学校のイメージや交付金等の対象となる取組は、以下3つの類型を示した。
①専門高校の機能強化・高度化 (アドバンスト・エッセンシャルワーカーの育成など)
②普通科改革を通じた高校の特色化・魅力化(文理の双方の素養を有する人材の育成など)
③地理的アクセス・多様な学びの確保
交付金等の対象となる取組の例として、①では「ビジネス経験の必修化」を例示。産業界等との連携・協働により、定期的に企業等で具体的な業務を実践し、生徒の卒業後の仕事や収入のイメージの明確化や、高校での理論学習と企業等での実践の往還による学びの深化を図る。また、②では「実社会につながる生きた授業の実践」や「高度実験環境を核とする理数探究拠点整備」、③では「学校間連携や遠隔授業等を活用した教育機会の確保」などを例示している。
交付金等の構築に先立ち、令和7年度補正予算により高校教育改革のための基金を都道府県に造成し、上記①~③の取組を進めるに当たって、N-E.X.T.ハイスクール構想の実現のために、パイロットケースとして先導的な学びの在り方を構築する高校(改革先導拠点)を創設する。グランドデザインでは、改革先導拠点は以下の3つの類型において創出するとしている。
類型1:アドバンスト・エッセンシャルワーカー等育成支援
類型2:理数系人材育成支援
類型3:多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保
都道府県は改革先導拠点について具体的に検討し、実行計画の策定に関する議論の参考にしたり、取組や成果を一つの学校にとどめることなく域内の高校に共有・普及したりするなど、全国及び都道府県全域の改革をけん引していく。
また、グランドデザインでは、2040年までに達成を目指す目標を掲げている。例えば、普通科高校に関しては、全ての普通科高校で文理横断的な学びに取り組むこと、将来的には、文系・理系の区分がなくなることを目指しつつ、2040年時点では、個々の生徒の進路選択の結果、普通科高校の生徒のうち、文系の生徒と理系の生徒の割合が同程度となるよう、特色・魅力ある普通科高校改革を進めることを掲げている。なお、2024年度で普通科高校(全日制・定時制課程)の最終学年の生徒のうち「文系」の割合は51.4%、「理系」の割合は30.8%、文理のコース分けを実施していない高校の割合は17.8%となっている。
グランドデザインの詳細は下記で確認できる。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kaikaku/1358056_00005.htm
また改革先導拠点に関して、文部科学省では、2月13日、「令和7年度 産業イノベーション人材育成等に資する高等学校等教育改革促進事業」の公募を開始している。
https://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/mext_00510.html