全国の高等学校におけるICT・AI活用実態調査 旺文社

教育出版の株式会社旺文社は、高等学校におけるICT機器・サービスの導入・利用状況および生成AIの活用実態について、アンケート調査を実施した。今年で10回目となる同調査では、全国547校の高等学校から回答を集計。直近の実態調査に加えて、10年間の推移データを基にした動向分析を行った。
高等学校で導入されている生徒用ICT端末の種類は、引き続き「タブレット型」が主流という結果となった。端末の機種については「学校指定」の割合が71.5%と多いものの、昨年度よりも4.4ポイント減となった。


株式会社旺文社・プレスリリースより。

対して、「個人費用負担/機種の指定なし」の回答割合が23.2%と昨年度より4.6ポイント増となり、AI需要やメモリ価格の高騰でICT機器が値上がりする中、「家庭が端末費用を負担する代わりに機種の選択は自由」とするケースが増えている。

一方で、生徒の使用する端末の種類が多様になるほど、学校側での対応・管理が煩雑になるという課題もあり、ICT端末活用上の課題として、「充電切れや故障などへの対応」の回答割合が48.6%に上るなど、経済的合理性からの判断が、必ずしも教室現場の良質なICT環境構築には直結していないことが示された。

「ICT活用の必要性を感じるポイント」についての調査では、「映像授業・動画視聴」「オンライン遠隔授業」「リモートでの課題配信」「生徒や保護者との連絡」などの回答割合が増加し、昨年度調査で見られた“リアル回帰”の傾向から一転して、コロナ禍の期間に見られたような需要の揺り戻しが起きている状況だ。

昨年度から設問に加えた生成AIの活用についての調査では、「授業や生徒指導にかかわる校務」「学校運営にかかわる校務」「学校行事や部活動」「保護者への対応」の4項目すべてで、「まあまあ活用できている」の回答割合が大幅増、「まったく活用できていない」の割合が大幅減となった。

一方で、検索エンジンや映像通話サービスなどにもAI技術が組み込まれるようになり、「もはや利用を避ける方が難しいが、しっかりとした運用ルールがないまま、教員や生徒のリテラシーを養えるか不安」という意見も挙がった。生成AIの利用が、この10年間で急拡大したICT活用と同じような道をたどって浸透していくのか、今後が注目される。

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株式会社旺文社・プレスリリースより。