「学びに終わりなし」 社会構想大学院大学、2025年度55名の修了生が新たな一歩
学校法人先端教育機構 社会構想大学院大学(東京都港区、学長:吉國浩二)は、2026年3月20日、コミュニケーションデザイン研究科、実務教育研究科、および社会構想研究科の2025年度学位授与式を挙行した。本式典では、社会課題解決に取り組む高度専門職人材55名に対し、それぞれの専門職学位が授与された。特筆すべき点として、2024年4月に開設された社会構想研究科から、初となる修了生が誕生した。
式典において吉國浩二学長は、多忙な業務を抱えながら研究を完遂した修了生たちの努力を称えた。吉國学長は、学位の取得はゴールではなく、培った知見を社会に実装するための出発点であると強調。研究を通じて得た論理的・批判的思考や課題解決力は、変化の激しい現代社会において自らの信念を貫くための礎になると語った。
修了生代表の挨拶では、それぞれの現場で培った知見を理論へと昇華させた2年間の歩みが振り返られた。
社会構想研究科1期生の船本幸裕さんは、社会課題を具体化するプロセスを「焼き物のための粘土をこね続けるようだった」と表現。理論と実践、そしてコーゼーション思考とエフェクチュエーション思考のバランスの重要性を説いた。「オリジナル11名」として、経営者や政治家などそれぞれの立場で社会課題に向き合い続ける決意を表明した。
コミュニケーションデザイン研究科8期生の遊田久美子さんは、人はいくつになっても学び成長できるという実感と、共に歩んだ仲間の存在が一生の宝であると述べた。春分という節目の日に、学びを止めることなくそれぞれの現場で思考を深め続ける姿勢を示した。
実務教育研究科4期生の野村美保さんは、日中の実務と夜間の学究を往還する日々を回想。個人の経験という暗黙知を、理論的な枠組みを用いて他者の経験へと変換することの重要性を説いた。理論は机上の空論ではなく、現場をより良くするための「切実な武器」であったと振り返り、新たな問いに向き合い続けることが真の学問との出会いであると締めくくった。
2025年度の修了生は、多種多様な業界で活躍する社会人院生で構成されており、提出された研究タイトルも多岐にわたる。主なものとして、「日本人と日系人の時空共生社会構想―100年後を見据えた幅広い日系人との新たな移民政策の可能性―」、「基礎自治体による寄付施策に関する考察—寄付施策を効果的に機能させるために、徳島県吉野川市を事例に考える—」、「岐路に立つ医療界の巨塔:大学病院の存続への戦い―制度の制約を『実践知』で乗り越える経営の勘所―」、「大学の学生募集広報は差別化できるのか?―私立大学の学部パンフレットにおける同型化および独自性についての考察―」などが挙げられる。これらを含む論文の一部は、同大学が発行する紀要『社会構想研究』に掲載されている。
同大学は、学校法人先端教育機構の「知の実践研究・教育で、社会の一翼を担う」という理念に基づき、2017年4月に東京・高田馬場に開学した。現在は、広報・コミュニケーション戦略を担う人材を育成するコミュニケーションデザイン研究科、実務知を体系化する実務教育研究科、そして社会のグランドデザインを描く人材を養成する社会構想研究科の3研究科体制で、社会課題解決の担い手を世に送り出し続けている。