高校教育改革、不採択の都道府県への再チャレンジ機会確保など求めて提言 

教育界の有志で構成する「高校教育改革を実現する会」が5月8日、文部科学省を訪れ、中村裕之副大臣に対し、高校教育改革交付金創設の「骨太の方針」への明記等に関する提言書を手交した。

中村裕之副大臣に提言書を手交する「高校教育改革を実現する会」呼びかけ人の3名(日本大学教授・末冨芳氏、一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォーム代表理事・岩本悠氏、東京大学教授・鈴木寛氏)。写真は高校教育改革を実現する会の公式noteから

文科省は今年2月に「高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)~2040年に向けた「N-E.X.T.(ネクスト)ハイスクール構想~」を公表。都道府県において「高等学校教育改革実行計画」を策定し、同計画を着実に実現できるよう、安定財源を確保した上で、「高等学校教育改革交付金(仮称)」等の新たな財政支援の仕組みを構築することにより、地域人材育成の中心となる高校を広く応援し、高校生の学びを支援する。

交付金等の構築に先立ち、令和7年度補正予算により高校教育改革のための基金を都道府県に造成し、パイロットケースとして先導的な学びの在り方を構築する高校(改革先導拠点)を創設する。改革先導拠点には、取組や成果を域内の高校に共有・普及したりするなど、全国及び都道府県全域の改革をけん引していくことが期待されており、今年2月から「令和7年度 産業イノベーション人材育成等に資する高等学校等教育改革促進事業」として公募を開始している。

提言では、1都道府県あたり最大62億円程度、47都道府県すべてを採択できる規模の補正予算が確保されている中、公募申請が不採択になる都道府県が出てくる可能性があるとして、
不採択となった県の高校と生徒が置き去りになれば、地域間格差が固定化されていくことにつながることを懸念。「採択まで共に育てていく発想」で再申請機会を設計することを求めている。

また、高校教育改革の「実行計画」が教育委員会だけの計画に終わらないよう、文部科学省から都道府県に示す策定要件として、実行計画の策定に知事や産業界が参画する体制の構築など、基本とする5点を明示するよう求めたほか、中長期の安定した財源が不可欠だとして、高校教育改革交付金創設の骨太の方針への明記や2040年までの中長期的な交付期間の設定、令和9年度の予算要求における年1,000〜2,000億円規模の明示などを求めている。

高校教育改革を実現する会では、引き続き、都道府県との意見交換や情報共有会などを重ね、教育界だけにとどまらず、産業界・大学・市町村等ともこの改革に一緒になって取り組むための働きかけを続けていきながら、これからの地域・社会の未来を切り拓く人材が育つ高校教育の実現に向けて、全力で取り組んでいくとしている。

提言の詳細は下記から確認できる。
https://note.com/deft_hyssop1272/n/nf69d02ea8de0