「大学におけるリカレント教育の実施状況」を調査 デジタル・ナレッジ

eラーニング専門ソリューション企業、株式会社デジタル・ナレッジが運営するeラーニング戦略研究所は、全国の大学職員・教員を対象に、大学におけるリカレント教育の実施状況に関する調査を実施し、その結果をまとめた報告書を公開した。

調査の結果、リカレント教育を実施している大学は全体の26%で、主な受講者は「企業で働く社会人」「定年退職者」「求職者」など。受講目的は「スキルアップ」から「学問的探求」「学位取得」「社会とのつながり」「転職・再就職・キャリアチェンジ」まで多様化しており、提供プログラムも「データサイエンス・統計・情報・数理」「経営マネジメント」「教育・人材開発」「一般教養」「地域創生」「AI・IoT」など、多岐にわたることが示された。プログラム開発にあたっては、「社会的ニーズ」「実践的」「学ぶ楽しさ」が重視されている結果となった。

リカレント教育をオンライン配信しているのは、リカレント教育を提供している大学のうち53.8%と半数程度。オンライン教育へのニーズが社会全体で高まる中、リカレント教育に関してはまだまだ対面型も多く、働く人、遠方の人、育児や介護で時間的制約がある人など、誰もが学びやすい環境が整っているとは言い難い状況だ。一方、オンライン配信を行っている大学では「教職員や学生が使いこなせない」「接続の安定性・音声品質」「セキュリティやプライバシー」などの課題を抱えている結果となった。

また、リカレント教育に関して、大学側が成果としているのは「大学の知をより幅広い人に提供可能」「社会で求められる人材・技術に貢献できた」など。学術機関として広い意味での社会貢献が、リカレント教育を提供する意義と認識されている。一方で課題は「教職員のリソース不足」「カリキュラム開発」「受講生募集」などが挙がった。

他の大学・組織と共同でリカレント教育を推進している大学はわずか3.8%。ほとんどが各大学単体での取り組みとなっており、その負担が大きい結果となった。さらに、より多くの大学が円滑にリカレント教育を実施するためには、国による財政支援、広報支援も求められている現状が示された。

株式会社デジタル・ナレッジ・プレスリリースより