青森県と慶應大 全国初のフュージョンエネルギー産業拠点形成へ戦略発表
青森県と慶應義塾大学フュージョンインダストリー研究センターは2026年3月5日に共同記者会見を開催し、青森県を世界に先駆けたフュージョンエネルギー(核融合)の産業拠点とすることを目指す「青森県フュージョンエネルギー拠点形成戦略」の詳細を発表した。併せて、フュージョンエネルギーの産業化を加速するため、2者が戦略的パートナーシップを締結したと発表した。
会見で発表する青森県の宮下宗一郎知事
フュージョンエネルギーは脱炭素社会の実現とエネルギー安全保障を両立し得る次世代エネルギーとして世界的に注目されている。青森県の宮下宗一郎知事は、2025年12月の記者会見で発電実証プラントの誘致・建設に向けた方針を表明しており、拠点形成計画が本格的に動き出していた。青森県でフュージョンエネルギープラントが建設・運用された場合、同県内での創出付加価値額は1兆3869億円、県内での20年間の雇用創出効果は27万6989人と試算されている。
「青森県フュージョンエネルギー拠点形成戦略」の取組の柱は、「①共用試験施設や実証設備の整備等によるフュージョン関連産業・研究開発機能の集積」、「②六ケ所村をフュージョンエネルギー開発を支える技術開発拠点と位置づけた発電実証プラントの誘致・建設」、「③県内大学・高専等との連携による次世代人材の育成・確保」、「④県民理解の醸成と安心・安全の確保」の4つ。青森県は今後、同戦略をもとに周辺産業・サプライチェーン・人材育成を含む包括的な産業エコシステムの構築を目指していく。
慶應義塾大学フュージョンインダストリー研究センターは、フュージョンエネルギーを「産業」と「社会」の視点から捉える学際的学術研究を行うとともに、産官学と地域・市民をつなぐ社会実装の拠点として、エネルギー転換を支える基盤づくりを進めている。今回のパートナーシップにおいては、研究開発、人材育成、産業集積、社会受容を横断的に統合する「産業化全体設計」を担う知的基盤としての役割を果たし、青森県の拠点形成を産業化の観点から体系的に支えていく方針だ。