地域と連携し推進する「山村留学」 高校進学の新たな選択肢に

豊かな自然の中で地域の産業を体験しながら、自立した集団生活を営む、葛巻高等学校の「山村留学」。生徒の進路希望が継続的に達成できる学校を目指して公営の学習塾も設置し、県外から多数の入学希望者が集まっている。山村留学の取り組みとその成果について、木村校長に話を聞いた。

地域連携で中高一貫教育を行う、葛巻町唯一の高校

木村 基

木村 基

岩手県立葛巻高等学校 校長
1987年、岩手県立一関第二高等学校で数学教員として新規採用。盛岡第三高等学校、花巻北高等学校、福岡高等学校などを経て、2015年岩手県教育委員会事務局教職員課主任経営指導主事に就任。2018年一関第一高等学校副校長を経て、2019年より現職。

岩手県の内陸北部に位置し、人口約6000人を擁する葛巻町。面積の約9割を森林が占め、酪農と林業を基幹産業として成長してきた。乳牛数や牛乳の生産量は東北一で、山ぶどう栽培から醸造まで一貫生産を行う「くずまきワイン」の産地としても有名だ。

葛巻町にある唯一の高校が、一昨年に創立70周年を迎えた県立葛巻高等学校。全校生徒131名の同校の特徴は、2002年度から実施している町内3中学校との「地域連携型中高一貫教育」だ。中学から高校へのスムーズな移行を図るため、中高6年間を通じた…

(※全文:2155文字 画像:あり)

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