全国の高等学校におけるIC活用実態調査 旺文社

教育出版の株式会社旺文社は、高等学校におけるICT機器・サービスの導入状況および活用の実態について、アンケート調査を実施した。今年で6回目となる同調査では、全国計805の高等学校から回答を集計。ICTの教育利用に関する近年の傾向と課題について、過去の調査データとの比較を交えた分析結果を公開した。調査結果サマリは下記のとおり。 

・生徒用のモバイルICT端末を導入している高等学校は85.8%、授業利用可能な無線ネットワーク環境整備も加速

台数を問わず生徒用のモバイルICT端末を校内に導入している高等学校の割合は、全体の8割超(85.8%)に。中でも「タブレット型」端末の割合は昨年度調査から17.4ポイント増の69.8%となり、普及端末の大勢を占めている状況だ。モバイル端末利用のための環境整備も進み、通常授業に無線ネットワークを利用できる高等学校の割合は全体の76.6%に達した。

・「BYOD」を導入する高等学校が38.5%に拡大する一方、スマートフォン等の私物端末利用に関しては懸念の声も

生徒私物のPC・スマートフォン等の端末を教育目的で利用(=「BYOD」)する高等学校は、昨年度調査からさらに増え、全体の4割弱に届いている。費用負担や休校時の連絡手段といった問題をクリアできる方策として期待される一方、学校現場での利用にあたっては、充電・破損などへの対応や私用目的と切り分けるモラルの問題なども不安視されている。

・ICT活用によって変化する教員負担の質と量、GIGAスクール構想が掲げる理想に近づくための課題意識

文部科学省が掲げるGIGAスクール構想下で、「生徒向け1人1台端末」の環境構築が着実に進み、これまでにない学びや指導のプロセスが生まれるかたわら、端末管理や情報モラル教育が教員の負担増になるといった歪みも顕在化している。ICT活用が「校務負担の軽減」に大きく期待される一方、「活用スキルの引き上げ」が最大の課題とされる現状に、構想とのギャップを埋めるための時間と取り組みが必要であることがわかった。

今回の調査結果を受け、旺文社では、各高等学校の実情に則した教育ICTサービスの提供と、活用のためのサポートに取り組んでいく考えだ。

22.2.28news2

株式会社旺文社・プレスリリースより