OECD「国際幼児教育・保育従事者調査2024」結果を公表
OECDが実施する幼児教育・保育(ECEC: Early Childhood Education and Care)の従事者に焦点を当てた国際調査の結果が12日2日、明らかとなった。
国立教育政策研究所の「OECD国際幼児教育・保育従事者調査2024「結果のポイント」」によると、日本の常勤の保育者の1週間当たりの仕事時間は、参加国中で最も長い46.7時間だったが、2018年の前回調査と比較すると4.9時間、減少した。日本に次いで仕事時間が長いのはコロンビア(45.5時間)、チリ(45.0時間)、最も短いのはモロッコ(34.5時間)だった。
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日本の常勤の保育者の園での仕事時間のうち、子供と直接接した時間の割合は82.0%を占めた。この割合が参加国・地域の中で最も高い国はデンマーク(90.3%)、最も低い国はコロンビア(67.8%)だった。
また、仕事に対する保育者、園長・所長の満足度に関して、日本では、保育者、園長・所長とも、約8割が「現在の園での仕事を楽しんでいる」「全体としてみれば、この仕事に満足している」と回答。日本では、保育者、園長・所長とも、「職務に対して支払われる給与に満足している」と回答した割合が2018年調査に比べて増加した。
一方、保育者の職務上のストレスに関しては、多くの参加国・地域において、保育者がストレスに感じる要因として、「同時にこなさなければならない仕事が多すぎること」「子供の発達の記録業務が多すぎること」「事務的な業務が多すぎること」の割合が高かった。
日本では、保育者がストレスに感じると回答したこととして、「同時にこなさなければならない仕事が多すぎること」の割合が最も高く、次いで、「子供の育ちや学び、生活の充実に責任を負っていること」「事務的な業務が多すぎること」「保護者の懸念に対処すること」「特別な教育支援を要する子供のために環境を整えること」と続いた。
「OECD国際幼児教育・保育従事者調査」は、幼児教育・保育施設(幼稚園・保育所・認定こども園)の保育者及び園長・所長に対して質問票を用いた調査を行い、保育者の実践の内容や勤務環境、仕事への満足度、養成・研修、園でのリーダーシップなどについて国際比較を行っている。2018年に実施された第1回調査は日本を含む9か国が参加、2024年の第2回調査では、日本を含む15か国・地域が参加した。
国立教育政策研究所は、こども家庭庁、文部科学省と連携、協力しながら、調査の国内における実施・分析を担っている。調査結果の詳細は以下から見ることができる。
https://www.nier.go.jp/youji_kyouiku_kenkyuu_center/oecd.html