高校教育改革に3000億円の基金創設、文科省2025年度補正予算案
政府は11月28日、2025年度補正予算案を閣議決定した。一般会計で総額18兆3,034億円。文部科学省関連では1兆6,091億円を計上した。
文科省関連の補正予算案では「高等学校教育改革の推進」に約3,000億円を計上。「N-E.X.T.ハイスクール構想」(New Education, New Excellence, New Transformation of High Schoolsの略)として、アドバンスト・エッセンシャルワーカーを育成するための実践的で高度な学びや、理数系人材を育成するための文理融合・探究的な学び、地理的アクセスを踏まえた多様な学びを先導する拠点を創設するため、各都道府県に基金(高等学校教育改革促進基金)を設置し、類型に応じた高校教育改革を先導するパイロットケースを創出。取組・成果を域内の高校に普及し、改革を牽引する。
Photo by hamazou/ Adobe Stock
また、「部活動の地域展開等の全国実施の加速化」に82億円を計上。地方公共団体の体制整備(コーディネーターの配置、人材バンクの設置等)や平日も含めた地域展開等の重点課題(小学校体育専科教師の活用等)への対応、地方公共団体への伴走支援(相談・サポート窓口の設置等)を通じて、部活動の地域展開等の全国実施の加速化を図る。
「学校給食費公会計化等の推進」には42億円を計上。2026年度からの小学校段階におけるいわゆる給食無償化を円滑に実施するため、学校給食費を含む学校徴収金を公会計化等するためのシステムの導入・改修等を推進する。
このほか、「リ・スキリング・エコシステムの構築等」に22億円を計上。地域のニーズや産業構造の変化の見通し等も踏まえた教育プログラムを開発するとともに企業からの投資を含む収益モデルを構築するなど、大学における産学官連携によるリ・スキリング・エコシステムの構築を支援する。
また、「科学の再興」を通じた「新技術立国」の実現に向けて、戦略的な国際共同研究による国際頭脳循環活性化【基金】に559億円を計上。G7やインド等との戦略的な国際連携・国際共同研究を通じ世界トップの国際頭脳循環のネットワークへの日本人研究者の参画を促進する。
補正予算案の詳細は以下から見ることができる。
https://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/r01/1420672_00010.html