茨城サドベリースクールの居場所づくり 子どもの数だけ正解はある

茨城県筑西市に来春、不登校や多様な学びを求める子どもの新たな居場所が生まれる。米国発祥のサドベリー教育を実践する県西初の施設として注目を集める。運営を担う一般社団法人茨城サドベリースクール代表理事の田中邦東氏に、背景にある思いや開設に向けた抱負、将来ビジョンを聞いた。

自主性を重んじ民主的な運営で
ありのままでいられる居場所に

田中 邦東

田中 邦東

一般社団法人茨城サドベリースクール 代表理事
茨城県スクールソーシャルワーカー、社会教育士
1982年生まれ、茨城大学教育学部卒。児童自立支援施設、障害児者療育施設、公立小中学校等で20年以上勤務し、多種多様な子どもたちと関わる。独立後は茨城県筑西市と連携し、市の補助事業として民間のフリースクールを立上げる他、茨城県スクールソーシャルワーカーとして、県内の小中学校へ訪問支援を行う。

──茨城サドベリースクールを立ち上げた経緯や、背景にある問題意識についてお聞かせください。

学生時代から福祉や教育を志し、障害児者療育施設や公立小学校、義務教育学校などで勤務してきました。しかし、公立学校教員の立場では、困難を抱えた子どもの家庭に直接介入することには限界があり、そのもどかしさを感じていました。

現在、全国に約30万人の不登校の子どもがいます。不登校自体は問題行動ではないのですが、不登校状態になることで教育機会が十分に保障されていないのが現実です。筑西市には教育相談や適応指導を行う教育支援センターが4つありますが、全ての不登校の子どもが利用しているわけではありません。実際には地域に約300名の不登校児童生徒がいますから、行政の支援だけでは足りず、フリースクールのような民間の居場所を求める声が多くありました。私自身、…

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