ものづくりの本質とSTEAM教育 ワクワクと面白さが学び続ける原動力

STEAMの各要素を含み、製作には専門知識が必要と思われがちなロボット。しかし、ユカイ工学代表の青木俊介氏はものづくりの第一歩は「面白がる」「身の周りをハックする」意識だと語る。新鮮な発想を生み、それを形にするために必要な学びの姿勢を聞いた。

お絵かきや工作、SF映画に
熱中した子ども時代

青木 俊介

青木 俊介

ユカイ工学株式会社 代表取締役 CEO
開成中学校・高等学校を経て東京大学在学中にチームラボ株式会社を設立し、CTO(最高技術責任者)に就任。2007年に東華大学信息科学技術学院へ進学、修士号(工学)取得。ピクシブ株式会社のCTOを務めたのち、2011年にロボティクスベンチャー「ユカイ工学」を設立。コミュニケーションロボット「BOCCO」や「Qoobo」などの商品開発を手がけ、グッドデザイン賞を受賞。米国ラスベガスで開催された世界最大級の電子機器見本市・CES 2022にて、やみつき体感ロボット「甘噛みハムハム」を発表し世界中で話題に。2021年より武蔵野美術大学 教授(特任)も務める。

── 暮らしに溶け込むロボットを開発・販売するユカイ工学を立ち上げ、STEAM教育に関する発言も行う青木さんですが、まだ学校でSTEAM教育が取り入れられていない時期に子ども時代を過ごされました。ロボットに関心をもったきっかけは何ですか。

青木 中学から進学校に通っていたということもあって、授業は先生が黒板に描いたものをノートに写すような座学が中心で、学校生活でSTEAM教育的なものに触れる機会はありませんでした。一方で、理科の教員をしていた母はものづくりなどが非常に好きで、私が小学校に上がる前から、東京芸大に電話をかけて「誰かうちの子にアートを教えてやってくれ」と学生を呼び、近所の子どもたちを集めて、アート教室のようなことをしていました。そこではお絵かきも工作も区別なく触れていました。

(※全文:4130文字 画像:あり)

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