予定調和でない対話が生む新たな視点、教養総合講座の学外開放

美術大学として、学生だけでなく地域や社会に広く芸術領域の学びを提供している多摩美術大学。今年9月から、六本木を舞台にリベラルアーツをテーマとした社会人向けプログラムを開始した。取り組みの経緯と芸術を通した教養の学びの重要性について聞いた。

美大ならではの教育の提供を
目指して

木下 京子

木下 京子

多摩美術大学 リベラルアーツセンター 教授
大阪教育大学美術学部卒業。大阪大学大学院文学研究科美術史学日本美術史講座修了。文学博士。フィラデルフィア美術館東洋美術部学芸員を務める。2013年より共通教育准教授。2015年より現職。専門は日本美術史。多摩美術大学生涯学習センターのプロデューサーも務め、2022年4月より同センター長に就任。

『タマビ』の愛称で知られる多摩美術大学は、1935年、東京都世田谷区上野毛にその前身となる多摩帝国美術学校が創設されたことに起源をもつ。現在は創設の地である上野毛のほか、八王子にもキャンパスをもち、また六本木の東京ミッドタウン・デザインハブ内にもデザインやアートを社会につなぐ場である『Tama Art University Bureau(TUB)』を設け、さまざまな発信活動を行っている。

同大では従来から生涯学習プログラムとして、子どもから大人まで、幅広い対象に向けて芸術を学ぶ機会を提供してきた。多摩美術大学 リベラルアーツセンター教授の木下京子氏は、これまでの取り組みについて…

(※全文:2220文字 画像:あり)

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