難解とされがちな現代美術に親しみ、ものの見方の変容を味わう機会を提供

2008年開館の十和田市現代美術館。展示空間全体を使った巨大な常設作品が見どころだ。ある作品は、遠くから見ると煌びやかだが、近くから見るとまったく別の姿を現す。こうした知覚の拡張を通じ、自分の認識やその限界について考えさせるのが(現代)美術の役割と鷲田めるろ館長は語る。

巨大なスケールの同時代作品を
常時鑑賞できる美術館

鷲田 めるろ

鷲田 めるろ

十和田市現代美術館 館長
1973年、京都府生まれ。東京大学大学院美術史学専攻修士課程修了。金沢21世紀美術館の立ち上げに関わり、2004 年の開館後はキュレーターを務める。在籍中の2017年、第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館キュレーターに選出される。2018 年独立し、フリーランスとして、あいちトリエンナーレ2019キュレーターなどを務める。2020年4月に十和田市現代美術館館長に就任、現在に至る。東京藝術大学国際芸術創造研究科准教授。十和田市在住。

撮影:小山田邦哉

── 十和田市現代美術館について教えてください。

十和田市の中心街に2008年にオープンした現代美術館です。現代美術というのは、1945年以降、戦後の美術を指すこともありますが、当館は2000年代以降の作品を扱っており、戦後というよりは同時代の美術、コンテンポラリーアートのミュージアムとなっています。コレクションのうち、もっとも古いものでも2007年の作品となっています。

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