文科省、令和6年度の戦略的創造研究推進事業の戦略目標等を決定

文部科学省は、令和6年度における科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業の戦略目標と、日本医療研究開発機構(AMED)の革新的先端研究開発支援事業の研究開発目標を決定した。4月以降、JST・AMEDにおいて、CRESTやさきがけ等のプログラムで研究提案の公募を開始する予定だ。

文部科学省では組織・分野の枠を超えた基礎研究を戦略的に推進するため、根本原理の追求と政策的な意思を結びつける「戦略目標」及び「研究開発目標」を定めている。その目標の下で、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)及び日本医療研究開発機構(AMED)において時限的な研究体制(ネットワーク型研究所)を構築し、イノベーションの源泉となる研究成果の創出を目指した戦略的創造研究推進事業及び革新的先端研究開発支援事業を実施している。

これらの事業で公募するチーム型のCREST(JST/AMED)、個人型のさきがけ(JST)/PRIME(AMED)などのプログラムは、科研費と並び、30年以上に渡って、多くの研究者コミュニティに根付いた基幹的な研究費だ。

これまで、「Nature」などの著名な科学誌に投稿される論文を多数創出しており、さらに京都大学・山中伸弥教授によるiPS細胞の樹立等のノーベル賞受賞につながる研究や、東京工業大学・細野秀雄教授によるIGZOディスプレイの材料開発の研究を推進するなど、多岐に渡る新しい技術シーズの創出に貢献している。さらに、採択が若手研究者の昇進の重要な契機になるなど、トップ成果の創出とともに、人材育成にも大きく寄与している。

これらの事業における令和6年度の戦略目標と研究開発目標の策定にあたっては、論文動向や研究者アンケート等の分析の他、有識者ヒアリングやワークショップの開催等を通じて、科学的価値や経済・社会的インパクト等、多角的な観点から議論を行った。

政策的な要請等との関連も踏まえ、複雑な現象や仕組み、さらには研究プロセスそのものの解明と応用に分野横断で挑戦する、下記の6つの目標を設定した。

 

・新たな価値創造につながる研究・社会基盤の強化

(1)自律駆動による研究革新(JST)

(2)新たな社会・産業の基盤となる予測・制御の科学(JST)

・社会課題解決に資する挑戦的な技術開拓

(3)持続可能な社会を支える光と情報・材料等の融合技術フロンティア開拓(JST)

(4)選択の物質科学~持続可能な発展型社会に貢献する新学理の構築~(JST)

・生命現象解明に向けた未踏領域への挑戦

(5)「生命力」を測る~未知の生体応答能力の発見・探査~(JST)

(6)性差・個人差・個人内の変化の解明と予測への挑戦~ヒトを平均でとらえる医療からの脱却に向けて~(AMED)

 

文部科学省・報道発表資料より