対談・探究はAIに優る力 「生涯探究社会」の到来に向けすべきこと

新学習指導要領に則り、小中高で実践が進む探究。ある課題やテーマから教科横断的に掘り下げ、時に視点を広げていく学び方はVUCAの時代と言われる今、子どもにも社会人にも必要なものだ。國學院大學の田村学教授と東京都市大学の佐藤真久教授に対談いただいた。

「探究」とは何か?
多面的な理解が必要

佐藤 真久

佐藤 真久

東京都市大学大学院 環境情報学研究科 教授
英国国立サルフォード大学にてPh.D.取得。「国連・ESDの10年」ジャパンレポート有識者委員会座長、UNESCO ESDグローバルアクションプログラム(PN1:政策)共同議長、SEAMEO-JAPAN ESDアワード 国際審査委員会委員などを歴任。現在、UNESCO ESD-Net 2030フォーカルポイント、JICA教師海外研修(SDGs)学術アドバイザー、文部科学省・WWLコンソーシアム構築支援事業運営指導委員も務める。

田村 学

田村 学

國學院大學 人間開発学部 初等教育学科 教授
1986年より新潟県公立小学校教諭、上越教育大学附属小学校教諭、新潟県柏崎市教育委員会 指導主事を経て、2005年より文部科学省 初等中等教育局教育課程課 教科調査官。国立教育政策研究所教育課程研究センター 研究開発部 教育課程調査官。2015年より文部科学省 初等中等教育局視学官。2017年から現職。文部科学省 初等中等教育局視学委員も務める。

── 以前本誌で田村先生にお話を伺った際、探究においては高度化・自律化が重要と指摘されていました。

田村 学校教育において、今後、実際の社会で活用できる力を身につけなければいけないという前提があり、具体的には課題発見力や他者との協働的な問題解決力という能力の育成が挙げられてきました。これらはいわゆる教科学習だけでは獲得しづらく、そのために探究が求められるようになりました。実社会の課題を自分で考え、あるいは他者と協力しながら解決に向かうことを通じ、最終的に自分のあり方や生き方と結び付けていくことが大切だということで、総合的な学習の時間の中で探究的な学習を行うことにしたわけです。

(※全文:3794文字 画像:あり)

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