文科省、ハーバード大の外国人留学生を受け入れるよう国内大学に依頼予定

あべ俊子文部科学大臣は5月27日の記者会見で、トランプ政権がハーバード大学の外国人留学生受入れ許可を取り消したことについて、文部科学省としての対応方針を明らかにした。

ハーバード大をめぐっては、「反ユダヤ主義」や「極左思想」を助長しているなどとして、トランプ政権が助成金の停止や基金の凍結等、弾圧を強めている。

アメリカでは、大学が外国人留学生を受け入れるためには、国土安全保障省の下部組織「学生・交流訪問者プログラム」(Student and Exchange Visitor Program)が発行する許可が必要だが、5月22日に同省がこの許可を取り消した。

72時間以内に外国人留学生の個人情報を提出すれば復活させるという取引を、ハーバード大ははねつけ、代わりに連邦地裁に提訴。23日に連邦判事が取り消しの一時停止を命じた。停止期間は2週間となっている。

ハーバード大は、学生のおよそ3割にあたる約7,000人が、140以上の国・地域からの留学生と言われている。日本からも5月27日現在、110名が留学中。もし許可が取り消されれば、こうした留学生は、アメリカ国内の別の大学に移らない限り、学生ビザを失うことになる。

これを受けあべ大臣は、現在、日本人留学生に不利益が生じぬよう、外務省と連携しながら情報収集を進めているところと説明。その上で、ハーバード大に限らずアメリカに留学中、また留学予定の日本人の不安の声を受け、日本学生支援機構に専用の相談窓口を設置すると述べた。また、同機構の支援を受けて現在留学中の学生については、留学計画の変更や、奨学金の継続といった対応を計画していることを明かした。

加えて、ハーバード大に在籍する各国の留学生が学びを継続できるよう、日本の大学に受け入れを依頼していくと述べた。

トランプ政権は27日には、連邦政府がハーバード大と結んでいる契約をすべて解除する方針を明らかにしており、同大への弾圧は続いていくとみられる。

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