文部科学省SBIRフェーズ3「民間ロケットの開発・実証」ステージゲート審査結果公表

文部科学省は2026年3月31日、令和4年度補正予算「中小企業イノベーション創出推進事業(文部科学省分)」のうち、宇宙分野の事業テーマである「民間ロケットの開発・実証」に関するステージゲート審査結果を公表した。本審査は、フェーズ2からフェーズ3への移行可否や、次フェーズにおける交付上限額を評価・判断するために実施された。


審査の概要と選定結果

今回のステージゲート審査は、補助対象事業者を3社から2社へ絞り込むことを前提として行われた。審査にあたっては、基本設計の完了や、2027年度中までにTRL(技術成熟度)をレベル7まで引き上げる計画の策定が必須条件として設定された。書面審査(令和8年2月24日〜3月9日)およびプレゼンテーション審査(令和8年3月12日、13日、18日)の結果、以下の2社がフェーズ3への移行を認められた。

・インターステラテクノロジズ株式会社 「小型人工衛星 打上げロケットZEROの技術開発・飛行実証」を計画し、液化メタン燃料ロケットエンジンの開発を進める。大手自動車メーカーとの提携による量産ノウハウの導入や、具体的な実証への統合計画などが評価された。フェーズ3の交付額上限は73.7億円である。

・スペースワン株式会社 「増強型ロケットの開発、打上げ実証及び事業化」を掲げ、現行型カイロスロケットの第3段を液体ステージに置換する開発を行う。現行機の運用実績に加え、機体システムと射場設備の両面で概ね計画どおりに開発を進捗させている点などが支持された。フェーズ3の交付額上限は44.6億円に設定されている。

審査継続と今後の展望

一方、将来宇宙輸送システム株式会社については、必須条件は満たしていたものの他社との比較によりフェーズ3への移行は認められなかった。ただし自ら事業継続の意思を示したことから、フェーズ2事業期間の延長が認められた。有人宇宙輸送・再使用型ロケットの実現という独自性の高いビジネスモデルへの期待値は高く、延長期間における事業計画の妥当性や資金の追加配分の必要性について、別途審査が行われる予定となっている。

本事業は2027年度(令和9年度)を目標に、国際競争力を持ったロケットの開発・飛行実証を行うスタートアップ企業を支援し、我が国の輸送分野におけるスタートアップの有する先端技術の社会実装の促進を目的としている。文部科学省は、選抜された事業者への集中支援を通じて、宇宙輸送分野における社会実装に向けた取組を進め、我が国の宇宙市場の拡大へ貢献することとしている。