文科省、令和7年度「産業イノベーション人材育成等に資する高等学校等教育改革促進事業」第2回申請の採択結果公表

文部科学省は、令和8年5月15日に令和7年度の産業イノベーション人材育成等に資する高等学校等教育改革促進事業について、第2回申請期限までの採択結果を公表した。この事業は、地域の産業イノベーションを担う人材の育成や教育改革を推進する拠点を支援するもので、第1回申請期限である令和8年2月27日12時までの申請はなかったが、令和8年3月31日12時までに締め切られた第2回申請において、富山県と静岡県の2県から計6校の改革先導拠点となる高等学校が採択された。

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採択された6つの拠点校には、それぞれの事業内容や教育改革の目的に応じて資金の上限額が設定されている。

富山県 魚津高校・小杉高校の2校が選定

富山県では2校が選定された。富山県立魚津高等学校は全日制普通科で、理数系重視の入口から出口までの一体改革により、理数系人材の裾野を広げ高みを目指す普通科高校の創出を掲げ、上限額12.2億円で理数系人材育成支援を行う。富山県立小杉高等学校は全日制総合学科で、柔軟な教育課程と学校外のリソースを活用したウェルビーイングな学びの場の創出を進め、上限額11.3億円で多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保を目指す。同校は「次世代ラーニング・ハブ」を拠点とした多層的学習支援を通じて、学校と地域が連携・協働した学力向上・学習支援の事業も併せて展開する。

静岡県 浜松工業・沼津東の2校が産業人材と理数系人材の育成拠点に

静岡県からは4校が選ばれた。静岡県立浜松工業高等学校は全日制工業科で、産業イノベーション人材育成に向けたスタートアップ教育の拠点形成に上限額9.0億円で取り組み、アドバンスト・エッセンシャルワーカー等育成支援を行う。静岡県立沼津東高等学校は全日制普通科および理数科で、グローカルリーダーの育成に向けた学際的探究領域実践の拠点形成を目指し、上限額14.9億円で理数系人材育成支援の拠点となる。

さらに静岡県立静岡中央高等学校は通信制および定時制普通科において、多様な学習機会の提供を通じた新しい学びへの転換拠点の形成に取り組み、上限額22.2億円で多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保を推進する。同校は遠隔配信授業と公営塾を組み合わせたクロス支援プログラムを導入し、学校と地域が連携・協働した学力向上・学習支援の事業も同時に展開する。静岡県立焼津水産高等学校は全日制水産科で、地域産業の生産性向上・高付加価値化に向けた即戦力人材の拠点形成を掲げ、上限額15.9億円でアドバンスト・エッセンシャルワーカー等育成支援を実施する。

採択拠点の学科構成は計7学科

これら6校の改革先導拠点における学科の内訳は、普通科3、総合学科1、理数科1、専門学科では工業科1、水産科1であり、1つの学校で複数の学科を事業計画に含める場合も含めて計7学科となる。

事業の実施にあたっては多数の協力校が連携する。富山県立魚津高等学校は魚津市立東部中学校や魚津市立西部中学校と連携し、富山県立小杉高等学校は高志のあかり中学校、上市高等学校、富山いずみ高等学校と協働する。静岡県立浜松工業高等学校の協力校には、掛川工業高等学校、遠江総合高等学校、磐田農業高等学校、浜松城北工業高等学校、浜松湖北高等学校、新居高等学校が名を連ねている。静岡県立沼津東高等学校は、韮山高等学校、富士高等学校、三島北高等学校を協力校とする。

静岡県立静岡中央高等学校は非常に広範な連携体制を敷いており、三島長陵高等学校、ふじのくに国際高等学校、浜松大平台高等学校、新居高等学校、下田高等学校、松崎高等学校、稲取高等学校、伊豆総合高等学校および同校土肥分校、熱海高等学校、川根高等学校、浜松湖北高等学校および同校佐久間分校、天竜高等学校春野校舎、富士宮北高等学校、富士宮東高等学校、富士宮西高等学校、富岳館高等学校、静岡高等学校、駿河総合高等学校、静岡城北高等学校、静岡東高等学校、静岡西高等学校、静岡農業高等学校、静岡商業高等学校、科学技術高等学校、清水東高等学校、清水西高等学校、清水南高等学校の計29校が協力する。静岡県立焼津水産高等学校は、静岡農業高等学校と藤枝北高等学校の2校を協力校として事業を展開する。

上限額は今後の精査で減額の可能性も、審査委員会の構成は全審査終了後に公表

文部科学省は、今回の採択における上限額について、今後の交付手続きを進める中で技術的観点からの確認や精査を経て減額する場合があるとしている。また、審査は外部有識者からなる審査委員会が担当しており、その構成は本事業に関わる全審査が終了した段階で公表される予定である。