クラスター株式会社がメタバース教育プログラムの実証データを公開 参加生徒の92%がデジタル学習への意欲向上を確認

同調査は、全国6校・117名の中学生・高校生を対象に実施されたワークショップ形式の教育プログラムが、生徒のデジタル学習に対する関心や探究意欲にどのような変化をもたらすかを検証する目的で行われた。その結果、参加した生徒の92%が「デジタル学習への探究意欲が向上した」と回答しており、メタバースを活用した教育プログラムが生徒の意欲向上に寄与することが確認されたと同社は説明している。

社会的背景と探究的な学びの必要性

政府が2023年12月に閣議決定した「デジタル田園都市国家構想総合戦略」では、2026年度末までにデジタル推進人材を230万人育成する目標が掲げられ、デジタル庁・経済産業省・文部科学省が連携して取り組みを加速している。

また文部科学省は、2024年度から「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」を開始し、ICTを活用した探究的な学びを補助金で支援している。さらに2025年5月には教育課程企画特別部会において「質の高い探究的な学びの実現」に関する論点資料が公表された。同資料では、生成AIの急速な発展、人生100年時代、2040年の労働供給不足(1,100万人不足)といった社会背景を踏まえ、子どもたちが「自らの人生を舵取りする力」を身につけるために、探究的な学びの質を高めることが急務とされている。

実証調査の概要と具体的な効果

今回実施されたメタバース教育プログラム満足度調査は、中学3年生から高校3年生までの計117名を対象に、ワークショップ型授業の形式で全国6校において行われた。実施期間は2025年から2026年にかけてで、各校でのプログラム実施直後にクラスター株式会社が指定するアンケートフォームへの回答という方法で集計が行われた。

調査結果からは、デジタル学習への意欲が向上したと回答した生徒が92%に上り、「もっとメタバース・3DCGの制作について知りたい・作りたい・調べたい」といった自発的なアクションにつながる定性的な意見も多数確認された。同社はこの結果について、文部科学省が定める「総合的な学習(探究)の時間」の目標である「探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成すること」に沿うものと捉えていると説明している。

実際にプログラムを体験した生徒からは、仮想空間でも多くの人とコミュニケーションがとれることへの驚きや、思い描いた空間を自分の好きなように再現できることが個性を生かす機会になったという声が寄せられた。また「メタバースは単なる娯楽ではなく、教育や地域活性化など幅広い可能性を持っている」「現実では難しい体験を安全に実現できる点が印象に残った」といった気づきや、普段親しんでいるUnity製ゲームの制作技術に触れたことで「もっと色々できそうだと感じた」との感想も挙がっている。

学校現場を支援する「cluster for Education」の展開

クラスター株式会社の代表取締役CEO・加藤直人氏は、メタバースを単なるツールではなく、次世代の学びへの入口になり得るものとして位置づけている。同社はこれまで800以上の教育機関にプラットフォームを提供してきた実績があり、累計で1,000時間以上の講習を実施している。

蓄積された知見を活かし、同社はDXハイスクール・N-E.X.T.ハイスクール構想に対応した教育プログラム「cluster for Education」を展開している。このプログラムでは、プログラミング不要で3D空間を制作できる教材をはじめ、現役クリエイターが直接指導する実践的なDX人材育成プランなど、学校のニーズに合わせた複数のプランが用意されている。

さらに、授業でそのまま活用できるスライド形式の教育者向けガイド「Cluster Educators Guide」(通称:エデュケーションガイド)を無料で一般公開している。このガイドは「メタバースとは何か」という基礎的な説明から、clusterの操作方法、3D空間の制作までを網羅しており、初版公開から全国800以上の教育機関に届けられ、教育現場での定番教材として活用されてきた。同社は今後も全国の学校・教育機関と連携し、メタバースを通じたデジタル教育の普及に取り組む構えを見せている。