教員養成大学の入試・教育改革支援事業に奈良教育大、弘前大ら10大学が採択

文部科学省は6月18日、教職課程を置く大学が教育委員会と連携して行う、入試改革や教育改革の取組みを支援する「地域教員希望枠を活用した教員養成大学・学部の機能強化事業」について、 奈良教育大学や弘前大学ら10大学を採択したことを発表した。

同事業は、「教員養成は大学、採用・研修は教育委員会」という従来の枠組みを越えた連携により、地域や現場ニーズに対応した質の高い教師を継続的・安定的に養成し、確保することを目的に実施。

入試における「地域教員希望枠」の導入、当該枠で入学した学生への地域課題に対応したコース・カリキュラムの提供、高校生に対する教職セミナーをはじめとする高大接続など、大学入学前から教員採用までの一貫した取組みに対して、資金援助を提供する。

教育委員会との連携を自大学のみで行う「単独事業」と、複数の大学で行う「連携事業」の2つの枠があり、採択されると単独事業で年間1,450万円、連携事業で2,600万円(いずれも初年度基準額)の支援を、2028年度までの4年間に渡って受けることができる。

3月から4月にかけて行われた公募には24大学から応募があり、審査の結果、10大学が採択された。いずれも単独事業。採択された大学とその取組みは以下の通り。

弘前大学「超人口減少社会におけるウェルビーイングを探究する『地域志向教員』養成事業」
岩手大学「地域教員希望枠――デジタルと掛ける岩大Twin方式」
茨城大学「地域教員希望枠入学生を対象とした『実践力養成プログラム』」
新潟大学「教育課題に取り組む『新潟・未来の学校』教員養成プラン」
岐阜大学「岐阜県地域教員希望枠入学者を核とする地域・現代的課題に対応しうる教員養成モデルの構築」
奈良教育大学「『地域課題に関する専門的力量』と『奈良教育大学の強みを生かした専門的力量』を持つ『二刀流』教師の育成」
和歌山大学「主体的・対話的に学び続ける地域の教員を生涯にわたって支援する新しい教員養成のかたち」
鳥取大学「鳥取大学と鳥取県教育委員会との連携・協働による地域課題を見据えた質の高い教員(地域教育のキーパーソン)の発掘・養成・採用・定着プログラム」
鹿児島大学「離島・へき地のデータ・リソースを活用できる教員の養成――小規模校教育に強い教員養成プラン」
都留文科大学「誰一人取り残さない!STEAM教育×ICT活用による個別最適な学びと協働的な学びを山梨の子どもたちに」

各取組みの詳細は以下から確認できる。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/mext_00017.html

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