職業体験学習で地元企業の魅力を伝え、自ら行動する起業家の卵を育成

福井県はものづくりを中心に、国内や世界で高いシェアを誇る企業や、オンリーワン技術を持つ企業が数多く存在する。しかし、こうした企業の存在を知る地元の子どもは少ない。地元企業の魅力を伝え、県の未来を支える人材を育てるための、職業体験教育活動「アントレ・キッズ」を取り上げる。

子どもたちの将来に、幅広い選択肢と夢を

田中 俊之

田中 俊之

福井商工会議所青年部 令和3年度 副会長
クラゲ専門店 Atolla 共同代表
国見クラゲ水族館 館長
高校卒業後に郵便局に就職。その後自身が希望していた生き物に関わる仕事につくため専門学校に進学する。新江ノ島水族館や、地元の越前松島水族館に飼育員として就職したのち、2015年にクラゲ専門店「Atolla」を起業。2021年に、地元の魅力を発信する水族館の開業を目指して活動中。

福井商工会議所青年部が職業体験教育活動として、おしごと探検隊「アントレ・キッズ」を開始したのは2005年。当時、子どもたちに対する教育は教科学習やスポーツが中心で、体験型教育においても伝統産業や化学実験が大部分を占め、職(仕事)に関する教育・体験は少なかった。

小学生が将来なりたい仕事をイメージする上での選択肢は限られており、都会の企業や暮らしに憧れて県外に出てしまう子どもが多いことが問題視されていた。

一方で、福井県には全国や世界にも引けを取らないメーカーや企業が多く存在する。福井県を拠点とし、北海道から...

(※全文:2260文字 画像:あり)

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