現在と未来を接続する「構想」が、承継後の事業の成長を支える
事業承継において重要なのは、単なるバトンの受け渡しではなく、未来を見据えて自社の事業を構想することだ。事業構想大学院大学の「事業承継(次世代経営構想)コース」では、構想力を養う実践的カリキュラムを提供。同コースの担当教員を務める丸尾聰教授に話を聞いた。
「現在の限界」と「未来の創造」を
接続することが不可欠

丸尾 聰
事業構想大学院大学 教授
事業構想研究所 副所長
東京藝術大学大学院修了後、経営コンサルティング会社を経て、デザイン会社を起業。その後、日本総合研究所の設立に参画。土壌汚染や廃棄物問題、電力の自由化などの社会課題に対して、新産業のエコシステムの組成と関連法制度の改革を伴う、ビジネスの力で解決。その知見と、デザイン思考、アート思考を駆使した「クリエイティブ発想法」を開発。のべ300社のクライアント企業に対し、千数百の新規事業の企画、立上げ、スケールを支援。社内ベンチャーの制度設計、運用支援の実績も豊富。慶應義塾大学ビジネススクール講師を兼務。
── 丸尾先生は、事業構想大学院大学の「事業承継(次世代経営構想)コース」の担当教員を務められています。事業承継の課題について、どのように見ていますか。
現在の事業が限界を迎えていたとしても、経営者からすれば、「今までこれで成功してきた」という自負やプライドがあります。対して承継者は、「現経営者のやり方ではダメだ」と否定から入る。でも「どんな会社にしたいのか」と聞くと、漠然としたイメージしか語れないのが現実です。
現経営者は「現在の限界」を直視せず、承継者は「未来の創造」を妄想している。現経営者は過去から現在に至る実績に目を向ける反面、承継者は現在から未来を見据えている。その違いが、現経営者と承継者の確執を助長しています。
現経営者も承継者も、相互に不満・不信を抱いている。こうした状態にある中で、本当に必要なのは「現在の事業」の限界を直視し、「未来の事業」の創造を描くことです。
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