経営者は「省察」を通して成長 理論と実践の往還で「自らの経営理論」を深化
経営者は、実践経験と経営学理論の学びを通じて「自らの経営理論」を構築し、その省察を繰り返し、深化させることで成長を遂げていく。大学や企業の経営者教育には、このプロセスを支援する役割が求められる。経営者教育の在り方について、帝京大学・大野貴司教授に話を聞いた。
実践経験と経営学理論の
両方が経営者の成長を支える

大野 貴司
帝京大学 経済学部 教授
1977年生まれ。明治大学経営学部卒業、同大学院経営学研究科博士前期課程修了、横浜国立大学大学院国際社会科学研究科博士課程後期単位取得退学。岐阜経済大学、東洋学園大学を経て、2022年12月より現職。博士(経営学)。経営者の思想や信念、哲学に関する研究に従事。主要著作に『現代企業の経営者論』(文理閣、2023年)がある。
── 経営者が成長するためには、どのような学びや実践が重要になると見ていますか。
経営者としての実践と、その実践の経験の振り返りである省察、省察からの学習を経て、自分自身の経営実践のための経営理論(「〇〇の経営論」のような)を作り上げ、それを洗練化させていく過程の中で、経営者は成長していきます。
経営者には外部環境を認識した上で、戦略や、各職能を統合しながら戦略を実行するための器である組織を構築することが必要です。こうした作業を一つのまとまりとして作り上げていく「シンセシス」が重要であることは、一橋大学の楠木建教授や神戸大学の三品和広教授も指摘しています。
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