子どもの「生きる力」を育む保育園 惣菜店を併設し、地域とつながる

子どもたちが商店街に買い出しに行き、自ら包丁を握って食事をつくったり、自分たちで活動内容を決める。また、保育園には惣菜店が併設され、まちの人たちが訪れる。鹿児島にある子どもたちの「やってみたい」を大切にする保育園は、まちに活力をもたらしている。

多国籍の生徒と接する中で、
日本の将来に危機感

古川 理沙

古川 理沙

そらのまちほいくえん 代表
ひより保育園 代表
1977年生まれ、鹿児島県霧島市出身。2000年から2019年まで日本語教師として韓国、中国、日本の大学、高専、民間学校等で教育活動を行う。2007年に霧島市でインターネットを中心に出産祝いに特化したギフト商材を販売する会社を創業。2017年4月に霧島市で「ひより保育園」、2018年3月に姉妹園となる「そらのまちほいくえん」を鹿児島市で開園。NPO法人薩摩リーダーシップフォーラムSELFの代表理事を務める。

霧島市で「ひより保育園」、鹿児島市で「そらのまちほいくえん」を運営する古川理沙氏が目指すのは、子どもたちの自主性を育む、子どもたちの「やってみたい」を大切にする新しい保育の実現だ。

古川氏は2000年から2019年まで日本語教師を務め、韓国や中国、日本の大学や高専で教壇に立ってきた。多国籍の生徒や留学生と接する中で、日本の現状や将来について危機感を覚えたという。

「いろいろな国を見てきて、日本は子どもたちが幸せに生きていける社会になっているのかと疑問に思うようになりました」

また、古川氏は日本語教師を務めながら、出産祝いを中心としたギフト商材を販売するEC会社を起業しており、他の経営者と話をする機会もあった。

「経営者の方々と話をしていると、『新入社員として入ってきてからの教育では限界がある』と、大学や学校教育への課題感を口にする人が多くいました。一方で教育関係者に話を聞くと、…

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