鹿児島県教委 薩摩志士を育んだ伝統、地域全体で学びを担う
幕末や明治維新の志士を輩出し、日本の近代化を牽引した鹿児島県。その教育の伝統は現在も受け継がれ、実践的な学びを重んじ、地域と連携しながら産業の担い手育成が進められている。鹿児島県の教育の取組と方向性について、県教育委員会の東條広光教育長に話を聞いた。
地域全体で子どもを育て、
実践を重んじる教育の伝統
東條 広光
──鹿児島県の教育の伝統や風土について、どのように見ておられますか。
本県には豊かな自然、日本の近代化をリードした歴史、地域に根差した個性あふれる文化、様々な分野で活躍している人材など、豊富な教育資源があります。
江戸時代、島津藩では地域単位で先輩が後輩に薫陶を授け、学芸や武芸を身に付けさせ、さらには山野を駆け巡って鍛錬し、たくましい精神力や体力を養う「郷中(ごじゅう)教育」というものが行われていました。
幕末や明治維新で活躍した薩摩藩士たちは、…
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