鹿児島県教委 薩摩志士を育んだ伝統、地域全体で学びを担う

幕末や明治維新の志士を輩出し、日本の近代化を牽引した鹿児島県。その教育の伝統は現在も受け継がれ、実践的な学びを重んじ、地域と連携しながら産業の担い手育成が進められている。鹿児島県の教育の取組と方向性について、県教育委員会の東條広光教育長に話を聞いた。

地域全体で子どもを育て、
実践を重んじる教育の伝統

東條 広光

東條 広光

鹿児島県教育委員会 教育長
鹿児島県さつま町出身。鹿児島大学理学部を卒業。鹿児島県庁において、議会事務局長や環境林務部長、企画部長を歴任。2018年3月に県庁を退職後、同年4月から鹿児島県教育委員会教育長を務める。

──鹿児島県の教育の伝統や風土について、どのように見ておられますか。

本県には豊かな自然、日本の近代化をリードした歴史、地域に根差した個性あふれる文化、様々な分野で活躍している人材など、豊富な教育資源があります。

江戸時代、島津藩では地域単位で先輩が後輩に薫陶を授け、学芸や武芸を身に付けさせ、さらには山野を駆け巡って鍛錬し、たくましい精神力や体力を養う「郷中(ごじゅう)教育」というものが行われていました。

幕末や明治維新で活躍した薩摩藩士たちは、…

(※全文:4467文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。