国際教養大学 世界標準の「教養教育」、新たなカリキュラムを始動

国際教養大学は2004年の開学以来、「国際教養教育」を教学理念に掲げ、グローバル社会のリーダー育成に注力してきた。今年度からは新たな教育手法「応用国際教養教育」に挑戦している。6月から第3代学長に就任したモンテ・カセム氏に、新カリキュラムの狙いと目指す人間像を聞いた。

多様な学問をコネクトし
広範な問題解決能力を育む

モンテ・カセム

モンテ・カセム

公立大学法人 国際教養大学 理事長・学長
1947年スリランカ生まれ。スリランカ大学卒業後、1972年来日。東京大学大学院で都市工学を学び、三井建設、国際連合地域開発センターなどを経て1994年立命館大学教授に就任。立命館アジア太平洋大学学長、学校法人立命館副総長、大学院大学至善館学長を歴任。専門は環境とライフサイエンス。2021年6月から現職。

国際教養大学(AIU)が取り組む国際教養教育が目指すのは、世界の広範な事象に関する幅広い知識と深い理解、物事の本質を見抜く洞察力や思考力を高めることだ。グローバルな視野を養うには、外国語の卓越したコミュニケーション能力が欠かせない。そのため、すべての授業は英語で行われ、卒業要件には最低1年間の海外留学が含まれている。専任教員のうち、外国人教員の割合が57%を占め、提携大学数は50カ国・地域200大学。年間200人以上の留学生が学び、多様性あふれるキャンパスは、それ自体が多文化共生空間そのものといえる。

開学から11年目を迎えた2014年9月、AIUは文部科学省のスーパーグローバル大学創成支援事業(グローバル化牽引型)に採択された。この事業では2023年までの10年間で、日本に軸足を据え、…

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