不確実性との向き合い方を見直す エフェクチュエーションが迫るシフト

マーケティングを起点としたイノベーションを、いかに進めればよいか。エフェクチュエーションは、この課題のもとで重要な行動のシフトを企業に迫っている。

エフェクチュエーションとは何か

栗木 契

栗木 契

神戸大学大学院経営学研究科 教授
1966年生。神戸大学経営学部卒業。神戸大学大学院博士課程修了(博士(商学))。岡山大学経済学部講師、助教授を経て、神戸大学大学院経営学研究科助教授、准教授、2012年より教授。日本マーケティング学会、日本消費者行動研究学会、日本エフェクチュエーション協会などで理事をつとめる。

エフェクチュエーション(effectuation)は、S. サラスバシによって提唱されたアントレプレナー(企業家)の理論であり、経営にかかわる国内外の実務家と研究者のあいだで注目度が高まっています。

なぜ、企業家、そしてエフェクチュエーションが注目を集めるのでしょうか。現在の日本国内についていえば、既存の市場で獲得した顧客を守り抜こうとするだけでは、企業が将来に向けた明るい展望を描くことは難しく、新たな市場をつくりだしていくことの重要性が増しています。そのなかにあって、イノベーティブな市場創造の担い手となる企業家への期待が、社会そして企業において高まっています。

(※全文:2470文字 画像:あり)

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