ChatGPT一強は続くか インドで急伸する「意外なAI」

2025年10月16日、グローバルマーケティング事業を展開するアウンコンサルティング株式会社は、世界18カ国・地域における主要な生成AIの検索ボリュームに関する最新の調査結果を発表した。検索ボリュームとは、特定のキーワードが検索エンジンでどのくらいの回数検索されたかを示す指標で、世の中の関心度を測る目安となる。調査からは、ChatGPTの圧倒的な知名度と、Geminiの着実な成長、そして国・地域ごとの独自トレンドが浮き彫りとなっている。

生成AI入り口に ChatGPTの圧倒的存在感

2024年9月1日から2025年8月31日までの1年間、世界18カ国・地域を対象とした今回の調査では、主要な生成AIツール(ChatGPT、Microsoft Copilot、Google Gemini、Claude、Perplexity、Grok)の検索ボリュームが分析された。

結果、調査対象となった全ての国・地域において、ChatGPTが他のツールを大きく引き離し、検索ボリュームで首位を独占。この傾向は前年から一貫しており、生成AIの代名詞として、また多くのユーザーにとっての「最初の入り口」としての役割を確固たるものにしていることが示された。

アウンコンサルティング株式会社のプレスリリースより

Google Geminiが9カ国・地域で2位、検索との融合影響か

一方で、Googleが提供するGeminiは、日本、東南アジア、米国を含む9つの国・地域で2位にランクインし、ChatGPTを追う存在感を示した。この背景には、2025年5月に発表されたメディア生成モデル「Veo 3」や、Google検索にAIを統合した「AIモード」のグローバル展開などが、ユーザーの関心を高めたと見られている。

ベトナムでClaude、インドでPerplexityが急伸

調査では、国・地域ごとの特有のトレンドも明らかになった。特に注目されるのが、ベトナムにおけるClaude、インドにおけるPerplexityの検索ボリューム急増だ。

ベトナムでは、AIの活用を国家成長戦略の柱と位置づけており、2025年末までに初のAI関連法の制定を目指している。また、中小企業向けにAI導入を支援する助成金の配布など、利用拡大に向けた取り組みが活発に進められている中で、安全性や倫理性を重視したAIへのニーズが高まっている。

一方インドでは、通信大手Bharti Airtel(バーリ・エアテル)が約3億6,000万人のユーザーにPerplexityの有料版「Perplexity Pro」(年間約3万円相当)を無料で提供するキャンペーンを実施したことが、検索数の急増に直結したと考えられる。

今回の調査結果は、生成AIの技術が日々進化し、各国の政策や企業の戦略によって市場がダイナミックに変化していることを明確に示している。教育現場においても、これらの最新動向を的確に捉え、次世代を担う学生たちがAI技術を使いこなし、新たな価値を創造していくためのリテラシー教育が、ますます重要になっていく。