北海道・過疎のまちに企業人が集う 地域課題を通して「人が育つ」仕組み

帯広と釧路に挟まれた浦幌町では、「うらほろスタイル」と呼ばれる官民一体のまちづくりが盛んだ。漁師を経て地域づくりに関わるようになった一般社団法人十勝うらほろ樂舎の代表理事・近江正隆氏に、次世代育成にかける思いと、地域を巻き込んだ持続可能なまちづくりの秘訣を聞いた。

自然に恵まれるも進む過疎化
課題先進地域でのまちづくり

近江 正隆

近江 正隆

一般社団法人 十勝うらほろ樂舎 代表理事
東京都出身。19歳で北海道に移住し、21歳で漁師になる。30歳のときに水産加工業を始めるも方向転換。2006年より地域プロデューサーとしてまちづくりに携わる。2008年には漁師と加工業を辞め、地元で一次産業に携わる人たちと都市部で生活する人たちをつなげる複数の企業団体を設立。

浦幌町の官民一体のまちづくり「うらほろスタイル」のキーマンと言われるのが近江正隆氏だ。東京生まれの近江氏は、もともと浦幌には縁がなかったが、19歳で単身浦幌に移住。漁業を中心に農業や林業などの一次産業に17年間携わった後、地域づくりに関わるようになった。

豊かな自然に恵まれた浦幌は、農業、漁業、酪農、畜産、林業などの一次産業が盛んで、人々は山や海の恵みを受けながら暮らす。一方、人口約4400人、うち60歳以上が1400人以上を占める浦幌町は、過疎化や少子高齢化が進む課題先進地の1つだ。

そうした浦幌町をフィールドに近江氏は、十勝管内550戸の農林漁業者と都会の高校生をつなぎ、…

(※全文:2227文字 画像:あり)

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