地域課題は学びの宝庫、「オモシロガリスト」を増やしたい

高知市・鏡川の源流域である中山間地域、土佐山を拠点とするNPO法人土佐山アカデミー。設立からの10年、学びの場や人のつながりづくりを推進し、関係人口の増加に大きく貢献してきた。現在注力する事業とその手応え、今後のビジョンについて、事務局長の吉冨慎作氏に聞いた。

自ら楽しむことで好循環を生み
地域課題を「お宝」に変える

吉冨 慎作

吉冨 慎作

NPO法人土佐山アカデミー 事務局長/
オモシロガリスト®
1978年山口県生まれ。宇部高専で制御情報工学を学ぶ。デザイン事務所、外資系広告代理店を経て2013年、当時創設2年目の土佐山アカデミーに合流。個人・企業・行政を対象に、地域課題を資源と捉える逆転の発想で「教材」にしながら地域を学びの場に変えていく活動を土佐山を拠点に全国で展開中。内閣府地域活性化伝道師。
土佐山アカデミー
https://tosayamaacademy.org/

土佐山アカデミーが近ごろ注力しているのが企業向けの研修だ。豊かな自然を生かしたアウトドアでのチームビルディングから地域課題解決プロジェクトまで、多彩な研修メニューを提供している。高知県内の行政や企業はもとより、東京に本社を構える大企業を含め、これまで20社以上が土佐山と濃淡さまざまな関係を築いてきた。なかには丸1年、定期的に通いながら、じっくり地域と向き合うオリジナル研修を行う企業もある。

過去10年の活動を通して生まれた土佐山流の地方創生「方程式」がある。前提となるのが、地域の課題を「資源」と捉える発想だ。そうすれば、多様な課題を抱える典型的な山村も、一転して資源の宝庫となる。企業研修ではその資源を存分に生かし、日常業務にはない学びを得られるのがウリだ。それが実際の課題解決の一助となり、土佐山アカデミーに事業収益をもたらすことにもなる。すべての研修事業はこの…

(※全文:2310文字 画像:あり)

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