高校中退者が「自分らしく生きる」契機を 個別学習塾で新たな人生を後押し

中等・高等教育のドロップアウトを経験した若者が、自分らしく生きるきっかけづくりを支援する一般社団法人new-look。間もなく設立10周年を迎える今、主な事業の1つである「TOB塾」を中心に、これまでの手応えや成果、今後のビジョンについて、代表理事の山口真史氏に聞いた。

学校教育の「枠」に感じた限界
中退はネガティブなことではない

山口 真史

山口 真史

一般社団法人new-look 代表理事
1981年奈良県生まれ。大韓航空機撃墜事件で父親を亡くし、母子家庭で育つ。奈良工業高専を中退後、関西学院大学を卒業。後に、関西学院大学大学院にて教育学修士を取得。NPO法人、人材紹介会社、私立中高での勤務経験を経て、現在、一般社団法人new-look代表理事、一般財団法人植田記念会代表理事、社会福祉法人すいせい評議員、大韓航空機撃墜事件遺族会、大学・専門学校での非常勤講師など。

西宮市に拠点を構えるnew-lookは、高校中退に関わる若者たちが、自分らしく生きるきっかけを見つけることを目指し、2013年に設立された一般社団法人だ。山口氏がnew-lookを立ち上げた背景には、自身の経験が深く関わっている。

奈良工業高専中退を経て関西学院大学に進学。卒業後はいったん人材紹介会社に勤めたが、関西学院大学大学院で教育学修士を取得し、教職の道に転じた。社会科の教員としての教科指導に加え、担任や学年主任などを経験しながら感じたのは、「既存の学校教育では、限定的な枠組みの中でしか生徒を育てられない」という思いだった。

「私が勤務していたのは中高一貫の私立校で、課題を抱える生徒に対し、…

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