山梨県が全国初の「7年一貫教育プログラム」構築 デジタル系次世代リーダー育成
山梨県は、県立甲府工業高校と山梨県立大学を接続し、技術系人材を育成する全国初の「7年一貫教育プログラム」を創設する。令和12年春の開設を目指し、高校3年間と大学での学びを合わせた計7年間を通じて、高度な専門性と課題解決能力を備えた「デジタル系次世代リーダー」の輩出を狙う。
高校と大学を結ぶ独自の教育モデル
本プログラムは、技術系人材育成機関検討委員会による「高専または高専以上の効果をもたらす新たな教育機関を設置すべき」という提言を受けて構築された。高等専門学校(高専)が5年間の教育課程であるのに対し、山梨県独自のモデルでは、新たに県立甲府工業高校に設置する学科での3年間と、山梨県立大学に新設されるメイカーズ学科での学びを合わせた合計7年間の一貫教育を行う。高専以上の教育効果が期待できるプログラムとして設計されている。
会見する山梨県の長崎幸太郎知事(山梨県公式HPより)
新設される甲府工業高校の学科は、1学年25名の定員とする。同学科の卒業生は、原則として希望者全員が山梨県立大学メイカーズ学科へ進学できる制度を構築する。これにより、生徒は大学受験の制約から解放され、自らの興味関心がある分野を7年間にわたって深く追求することが可能となる。
飯田キャンパス内への設置と教育内容
設置場所については、高校段階から大学との交流や施設利用を促進し、学びの効果を最大化させる観点から、山梨県立大学飯田キャンパス内を選定した。
教育内容については、デザイン・デジタル領域等を軸に据える。既存産業の高度化のみならず、新産業の創出やグローバル展開を牽引するリーダー層の育成を目指す。従来の工業系高校や県立産業技術短期大学校が、製造現場を支える即戦力の技能者や実務技術者の育成を主眼としているのに対し、新学科では企画力や探究的な課題解決能力の習得に重点を置く。
卒業後の進路と地域貢献
山梨県は、育成した高度人材の県内定着に向けた支援策も並行して進める。県内企業への就職を条件とした奨学金の返還免除制度などを活用し、産業基盤の強化を図る考えである。
長崎幸太郎知事は記者会見において、生徒の人生選択を尊重しつつ、世界で活躍した卒業生がいずれ郷土に戻り地域に貢献することへの期待を表明した。受験勉強に縛られない革新的な教育モデルを通じて、社会に新しい価値を生み出す人材の育成を確固たるものにしていく。